もしもは突然やってくる。FPが教える 親が亡くなったときにやるべき【相続の手続きと流れ】

こんにちは、ととライフ管理人の「ginramu」です。
ある日突然、家族との別れが訪れたとき――。
気持ちが追いつかない中でも、やらなければいけない手続きは次々にやってきます。
特に「相続」って、慣れている人なんていないし、期限もあるから焦ってしまう方が多いんです。
今回は、FP(ファイナンシャルプランナー)としての視点から、
「親が亡くなったあとにやるべき相続手続きの流れ」を、できるだけやさしく・わかりやすくまとめました。
この記事を読めば、「まず何をすればいいのか」がきっと見えてくるはずです。
いざというときに慌てないためにも、今のうちにざっくり把握しておきましょう!
【①まずやること|死亡届の提出と葬儀の準備】
親族が亡くなったあと、最初に必要になるのが「死亡届」の提出です。
これは死亡を知った日から7日以内に出す必要があります。
実際には、病院で「死亡診断書」をもらったら、そのまま役所に提出する流れになることが多いです。
この手続きをすると「火葬許可証」も一緒に発行されるので、それをもとに葬儀社などとやりとりします。
ちなみに、葬儀は突然のことで準備に慌てがちですが、最近では家族葬や直葬(火葬だけ)なども選べるようになってきました。
費用を抑えたい場合や、身内だけで静かに送りたいときの選択肢としてもアリです。
また、市区町村によっては葬祭費の補助(数万円)が出ることもあるので、役所に確認しておくと安心です◎
【②遺言書の有無を確認する】
葬儀が終わって少し落ち着いたら、次に確認したいのが「遺言書の有無」です。
「うちはそんなの無いよ〜」って思いがちですが、実はこっそり書いていた…なんてケースもあるので、一応探してみるのがおすすめです。
仏壇の引き出しや、タンスの中、通帳の近く、保険の書類と一緒に…など、家族の“いつもの保管場所”にヒントがあるかも。
見つかったら、どの種類の遺言書かによって対応が変わります。
- 公正証書遺言(公証役場で作成):すぐに内容をもとに手続きOK
- 自筆証書遺言(本人が手書き):そのまま使えず、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要
遺言書があれば、基本的にはその内容どおりに相続を進めることになります。
逆に遺言がない場合は「法定相続分」に従って遺産を分けていくことになります。
ここを最初に確認しておくと、後々の相続トラブルを回避しやすくなりますよ◎
【③相続人の調査・確定をする】
「誰が相続するのか?」をはっきりさせるのが、このステップです。
これが意外と大事で、ここが曖昧なままだと、遺産分割や相続税の手続きが進められません。
基本的には、亡くなった方(被相続人)の戸籍をたどっていって、法定相続人を確定させます。
🔸実は…戸籍は1通だけじゃ足りない!?
戸籍って、今住んでいた場所のだけでいいと思っていませんか?
実は、亡くなった方の「出生から死亡までのすべての戸籍」をそろえる必要があるんです。
相続人が誰なのかを正しく証明するには、以下のようなことを戸籍で確認しなきゃいけません:
- 実の子どもは誰か
- 婚外子(認知された子ども)がいないか
- 養子縁組していたことがないか
- 前の結婚で子どもがいたかどうか など…
そのためには、「生まれたときから亡くなるまでの戸籍をつなげて確認」する必要があります。
🔸どうやって戸籍を集めるの?
- 亡くなった時点の本籍地の戸籍を取り寄せる
- 転籍前の本籍地を確認して、そこへも請求
- これを繰り返して、生まれたときの戸籍までたどる
郵送でも請求できるので、遠方でも対応可能◎
4~6通くらいになることも珍しくありません。
法定相続人の順位はざっくり以下のとおりです:
- 配偶者は常に相続人
- 子どもがいれば → 配偶者と子ども
- 子どもがいなければ → 親
- 親もいなければ → 兄弟姉妹
見落としがあると、あとで「本当は自分も相続人だった!」とトラブルに発展することも…。
戸籍調査は地味だけど超大事なステップです!
【④相続財産を把握する】
相続人がはっきりしたら、次は「どんな財産があるか?」を確認していきます。
プラスの財産だけじゃなく、マイナスの財産(借金など)も相続の対象になります。
【プラスの財産】
- 預貯金
- 不動産
- 株式や投資信託
- 車、貴金属、骨董品など
- 生命保険の死亡保険金(受取人が相続人の場合)
【マイナスの財産】
- 住宅ローン・借金
- 税金・医療費・未払いの費用
- 保証人としての債務など
🧾財産を確認するときのチェックリスト
- 銀行通帳・キャッシュカード
- 固定資産税の納付書
- 保険証券・証券会社の郵便物
- 金庫やタンスの中身
- PC・スマホのデータ(ネット銀行や証券口座)
最近はネット口座も多いので、パスワード管理情報があると調べやすいです◎
【⑤相続方法の選択(単純承認/限定承認/相続放棄)】
財産が把握できたら、次は「相続するかどうか」を選ぶステップ。
相続人には3つの選択肢があります👇
- 単純承認:すべての財産(プラスもマイナスも)をそのまま相続
- 限定承認:プラスの財産の範囲内で借金などを相続
- 相続放棄:最初から相続しないと宣言する(借金が多いときなど)
放棄や限定承認は、家庭裁判所に3ヶ月以内に手続きが必要なので注意⚠️
【⑥遺産分割協議と協議書の作成】
相続人で話し合って「誰がどの財産を相続するか」を決めるのが遺産分割協議です。
これには相続人全員の参加と同意が必要です。
協議がまとまったら、「遺産分割協議書」を作成し、署名・実印・印鑑証明書を添付します。
この書類がないと、不動産の登記や預金の解約ができません。
話し合いがうまくいかない場合は、家庭裁判所での調停も選択肢になります。
必要に応じてFPや司法書士に間に入ってもらうとスムーズです。
【⑦相続税の申告と納付(10ヶ月以内)】
相続税の申告・納付には期限があります。
相続開始(亡くなった日)から10ヶ月以内です。
💰相続税がかかるかどうかの目安
基礎控除額:
3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば、相続人が3人なら4,800万円までは非課税。
それを超えると、申告・納付が必要になります。
配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例などもあるので、申告が必要か微妙なときは税理士に相談を◎
✅まとめ|相続は焦らず、一歩ずつで大丈夫
親が亡くなったあと、やらなければいけないことはたくさんあります。
でも、一つひとつ順番に進めていけば大丈夫。
もし自分たちだけで不安なときは、FPや司法書士、税理士といった専門家の力を借りるのも全然アリです。
そして、この記事を読んで「うちの親の相続、大丈夫かな?」と思った方は、
生前に話し合っておくこともすごく大切です。
今後は「生前対策」や「遺言書」などについても記事にしていく予定ですので、ぜひチェックしてくださいね。
国税庁|相続税の申告・納付について 法務省|遺言書の検認手続きについて